FAB 3D CONTEST 2022
お知らせ
本コンテストは、2022年度をもちまして終了となりました。これまで本コンテストにご参加、ご尽力いただきましたすべての方々に、心よりお礼申し上げます。これまでコンテストを通して見られた素晴らしい参加と創造性に感謝の気持ちでいっぱいです。
2016年から2023年の間に応募された受賞作品の幅広さは、この世界の革新的で情熱的な人々の才能を明らかにしてくれます。本コンテストが、そうした作品の数々のおかげで、未来に対して可能性を提示したものになれたことを強く感じています。
今後も、新たなテクノロジーや社会の課題に対して、皆さんの創造性が発揮される未来を見るのを楽しみにしています。
ファブ3Dコンテスト事務局一同
ファブの技術と新しい素材でつくる、これからの暮らし方
FAB 3D CONTEST 2022
審査結果発表
最優秀賞
がちゃがちゃ × 植物栽培から始まるFAB LIFE
チーム部門 チーム名: ポチ
優秀賞
個人部門
優しいルアー作り
小野 侑誠 さん
チーム部門
おもいでぽっぽ〜いっしょうの宝を載せた私だけの思い出列車〜
チーム名: ぽっぽ
特別賞
個人部門
100個貯まるキャップ貯金箱
野呂瀬 大賀 さん
チーム部門
ピクトくらす 〜今にも動き出しそう!?〜
チーム名: asutama
FAB LIFE賞
お花屋さん × 3Dプリンター × 人工知能でつくるFAB LIFE
中山 成史 さん
スポンサー奨励作品
マテリアル賞
三菱ケミカル株式会社
アリ杭
矢島 光乃祐 さん
家族賞
株式会社グッデイ
NET for plants
チーム名: Hihatsuba
最優秀賞
がちゃがちゃ × 植物栽培から始まるFAB LIFE
チーム名: ポチ
高校3年
中山 成史さん、村松 嵩太さん
講 評
見た目だけでなく、土に分解されやすく排水機能も兼ねる構造を試作を繰り返し、作り手の想いがユーザへ伝わる高い完成度を実現できています。また3Dプリント造形段階で予想外の状況に陥った時にも諦めることなく粘り強く取り組み、期限までに克服できている点もモノづくりにおいてとても大切な体験ができていると思います。既販品との比較を行いアイデアや独創性の違いを確認するプロセスは、モノをつくるモチベーションの維持向上につながる良い取り組みであり他者にも参考になっていくでしょう。ドキュメンテーションも着眼から作品完成までのプロセスや試行錯誤、拘り、つくる楽しさが伝わってる高い完成度となっており、作品のみならずFabbleを見た他者にとってもFAB LIFEを「知る」、「興味を持つ」、「考える」キッカケ(機会)を作ることができる素晴らしい作品です。
優秀賞
個人部門
おもいでぽっぽ
〜一生の宝を乗せた私だけの思い出列車〜
チーム名: ぽっぽ
高校2年 関 春奈さん
高校1年 谷川 いち佳さん
蓑毛 莉々子さん
講 評
「FAB LIFE」という大きなテーマから、おもちゃに着目し、しっかりと掘り下げた作品になっていました。とくに、素材を活かして壊れたら土にかえすことができるという特徴は、資源循環の観点だけでなく、おもちゃとのお別れを印象的に演出し、持ち主の記憶に残る仕掛けという点でも素晴らしいと思いました。
ドキュメンテーションは、きっかけ・アイデア出しから完成までのプロセスが詳細に記録され、とても優れています。
アイデアを単にかたちにするだけでなく、前後に、アンケート調査、SDGsとの関連性を整理、安全性への配慮、お子さまに実際に使ってもらうなど、このFabbleを見た他者にとっても非常に参考になる内容でした。
今回の取組みによって自分たちが身に付けたスキルを客観的に評価することができており、皆さんのチームが制作を通じて成長した様子がわかりました。
チーム部門
特別賞
個人部門
ピクトくらす 〜今にも動き出しそう!?〜
チーム名: asutama
高校1年
川端 飛鳥さん、入江 環さん
講 評
不便なことをどう改善していくか考えるのはしんどいですよね。でも日常をうるおす楽しいことの中に、ちょっとだけ便利な何かを足していく、そんなアプローチなら楽しく取り組めると感じました。自分の生活を支えるために、ひっそりと小人(ピクト)さんが活躍していると思うとちょっとほっこりします。小物としての質感や造形の完成度を高めると、さらに楽しくなると思いました。3Dプリントは面倒なことが多いですが、トライ&エラーを繰り返しながら使いこなして、新しいツールや可能性として活用していくことを期待しています。
チーム部門
FAB LIFE賞
お花屋さん × 3Dプリンター × 人工知能でつくる
FAB LIFE
高校3年
中山 成史 さん
講 評
この作品を初めて読ませてもらった時に、今回のFAB LIFEというテーマに非常にマッチしていると感じました。実際に自分の住む街をモデルにして取り掛かり、自分の目線で課題を抽出し、仮説を立てたアプローチが良かったと思います。そこに自分の経験から花束にフォーカスを当てたことで、魅力的なプロダクトになっていったと感じました。3Dプリンタによるプロトタイピングの試行錯誤も、実際に作ってみたからこそ得られる気付きをしっかり受け止め、改善し続けていきました。プロトタイピングしたものを周りの人に、サービスを花屋さんに聞いてもらいながら他の人の気付きも取り入れていくことで、アイデアの幅が広がっていっただけでなく、完成度という高さも出ていったと思います。今回の取り組みは、「街中に人々を滞在させるには」という社会実験に対する大きな第一歩だったと思います。今後、花屋さんで実際に実験してみることで新たな気付きが得られると思います。これからもチャレンジし続けていくことに期待しています。
スポンサー奨励作品
マテリアル賞
三菱ケミカル株式会社
家族賞
株式会社グッデイ
審査委員長総評
ファブ技術(3Dプリンタ)を使って、新素材(植物からつくるバイオプラスチックや生分解性プラスチック)の可能性を引き出すことをテーマとして、今年で2年目になる。
現在の世の中では、さまざまなサスティナブル素材が登場しているが、その使い道を考える段になると、急に現在の「石油由来プラスチック」の単なる置き換えの発想になってしまい、そこから前に進めなくなっている例が多い。そうではなく、素材の特徴を吟味し、単なる置き換えではない、サスティナブル材ならではの新プロダクトを発想するとしたら、3Dプリンタを道具としてプロトタイプすることが有効ではないか。そして、視点として「LIFE(生活)」を中心に考えることで、モノとコトとがつながっていき、人間中心の循環型社会をつくりあげる起点になりうるのではないか。そのような思いをもって企画し、募集した。
この期待に、小中学生・高校生らは十分すぎるほどに応えてくれている。いま、日本の学校に3Dプリンタが導入される際に、素材に気を付ける事例も増えてくる兆しがある(小学校で使用されたプラスチック製のアサガオの鉢を回収し、3Dプリンタ用のフィラメントに加工して、中学校の3Dプリンタ教育に用いている鎌倉市の例など)。こうした流れが今後ますます全国に広がっていくことを期待したい。
むしろこれから気を付けなくてはいけないことは、「3Dプリンタ」が可能性を限定する道具にならないように、イメージを常に更新していくことだろう。3Dプリンタで「ものの最終形」をつくるだけではなく、3Dプリンタで構成した「支持体」に他の天然素材を組み合わせることによって、環境や自然を栽培し、再生(リ・ジェネレーション)していくような方向性がこれからの大きな可能性になるのではないかと考えている。まるで「料理」のように、素材と素材を組み合わせ、3Dプリンタと手仕事を組み合わせ、土地ごと、地域ごとに多様なアウトプットがこれからも生まれてくることを、期待したい。
田中浩也
ファブ3Dコンテスト 実行委員長・審査委員長
慶應義塾大学 SFC研究所 ファブ地球社会コンソーシアム 代表理事
慶應義塾大学環境情報学部教授、慶應義塾大学SFC研究所ソーシャルファブリケーションラボ代表。博士(工学)。デザインエンジニア/ソーシャルエンジニア。専門分野は、デジタルファブリケーション、3D設計/生産/製造システム、創造性の科学と文化およびその支援。モットーは「技術と社会の両面から研究すること」
副賞
Adventurer3
APPLE TREE 株式会社
コンパクトで場所を取らない家庭用3Dプリンター。
エクストルーダーは温まりやすく、タッチパネルのUIは非常にシンプルなため、スムーズに印刷準備ができます。
ワンタッチでノズル交換やフィラメント検出など便利な機能が搭載されているため、初心者の方でも問題なく扱えます。
EinScan SE 3Dスキャナー
株式会社マイクロボードテクノロジー
EinScan-SEデスクトップ型3Dスキャナーは、様々な独創的なデザインを高精度で 出力可能な3Dモデルを作成する事ができ、教育者や趣味愛好家のために最適な使 いやすさをご提供します。
https://afinia.jp/collections/3d-scanner/products/einscan-se-sp
3Dプリンター活用技術検定試験公式テキスト、図書カード、協会特製ペーパーナイフ
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)
一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)は、「3Dプリンター活用技術検定試験」や「CAD利用技術者試験」などの検定試験事業を通じて、ものづくり人材の育成に取り組んでいます。
開催概要
ファブ3Dコンテストでは、3Dプリンタなどを用いたデジタル工作機械を用いた技術(ファブ)と植物由来の新たな素材で、どのように暮らし方が変わり、循環型社会に寄与できるかを探求しています。これまでの価値観にとらわれない自由な発想を起点にした循環型社会のあり方を、新素材などを用いてどのように実現可能できるのか。大量生産、大量消費とは異なる、私たちの暮らしや社会のあり方を考えるきっかけになるようなアイデアを募集します。新素材を取り寄せ試行錯誤しながら活用方法を見出したり、ノウハウを共有したり、アプローチは無限です。
SDGsの目標12にもある「つくる責任、つかう責任」を暮らし方の中でどのよう浸透できるのか。アイデアと実現するスキルがあれば、未来をカタチ作る力になります。本コンテストを、STEM/STEAM*1領域での実践的な経験の場として、SDGs*2のあり方や、コロナ禍を過ごしてきたからこその気づきや、地域の課題と新技術や素材の可能性とを結び付け、ファブによってより良い社会となるモノ・コトづくりの機会にしていくことを目指しています。
一つの価値観に縛られない、多様な可能性を感じられる作品をどのように作ることができるのか。 提供される新素材の可能性を探求する、この世に全く今ないものを提案する、現状をより良くする、課題を解決するなど、どのような取り組みも可能です。テクノロジーを用いて社会をつなぎ、日本全国から未来を明るく、楽しく、優しくする作品や探究心溢れる作品に出会えるのを楽しみにしています。
*1: 科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)の教育分野の総称。芸術の(Art)が加わりSTEAMと表現されることもある。
*2 : 「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月に国連で開かれたサミットの中で世界のリーダーによって決められた、国際社会の共通目標です。「17の目標」と「169のターゲット(具体目標)」で構成されています。
応募対象:高校生以下
個人部門:小学生から高校生の方1名で作成された作品が対象となります
(サポートを受けることは可能 / どのような方や施設でサポートを受けたことを明記)
チーム部門:小学生から高校生の方が1名でも入っているチームであれば、高校生以上でも応募可能
チーム編成事例1:小学生 1名 + 保護者
チーム編成事例2:小学生 3名 + ファブ施設関係者
チーム編成事例3:中高生 3名 + 大学生サポーター など
応募方法
(1) 同意書に同意し、新素材を取り寄せる ※素材申し込みフォーム
(2) どのような点にフォーカスしたのか、思考や制作のプロセスをFabbleに記載
(3) オープンデータ等、著作権的に問題のないデータをを利用するのは自由ですが、出典を明記
(4) 想定する利用シーンを伝える動画あることが好ましい
(5) 個人でもチームでも応募可能 ※チームの場合はメンバーを明記 / チームに大人が参加している場合は役割を明記
(6) 応募フォームに必要な情報を記入し、期日までに応募 ※ハッシュタグの応募方法ではなくなりました
応募条件
(1) 応募作品は、提供素材や3Dプリンタなどのデジタル工作機械等を活用し制作した部分が含まれていること
(2) 作品の著作権は主催者側に譲渡する必要などはありません。審査結果の発表の際などに、応募のためにFabbleに投稿して頂いたコンテンツを利用させて頂きます。
(3) すでに発表された作品等でも構いませんが、 過去に受賞歴のある作品は応募不可とします。なお、制作費用はご自身でご負担、ご調達ください。主催者側ではご提供しておりません。
(4) 応募作品の提出には、慶應義塾大学で運用している制作日誌共有システム Fabbleを用い、作品のみならず、そのつくりかた、3D/2Dデータ等、 写真、映像等の「レシピ」を公開していただきます。
(5) 応募フォームに必要事項を記載してエントリーする ※応募フォーム公開予定(2022年10月中旬以降)
選考について
審査結果: 2022年11月中旬
表彰式: 2022年11下旬 オンラインにて開催
審査基準
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提案の質 (アイデアの着眼点、独創性等)
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探究心 (想い描いたことを実現させるためにどのような仮説を立て、試行錯誤を繰り返しているか)
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ドキュメンテーション (第三者に制作プロセスがわかりやすく記載されているか)
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完成度 (アイデアがきちんと伝わる形になっているか)
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ユーザーテスト (アイデアを他者にテストしてもらい、そこで得られた意見などを改善に活かしているか)
応募から審査・受賞までの流れ
応募までのステップ
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募集要項についてよく理解する
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コンテストのキックオフイベント動画を視聴し主旨を理解する
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新素材を取り寄せる ※応募フォーム 個人の方はこちら / 教育機関の方はこちら
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協力ファブ施設が近くにあれば、問い合わせしてみる ※協力ファブ施設は随時募集・更新中
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テーマから着想したアイデアをカタチにしてみる
応 募 方 法
応募フォーム(2022年10月17日より受付開始)にて必要事項を記載して応募
※Fabbleが、一般公開設定されていないと閲覧出来ないため対象外となります
※過去に取り組んだ作品も対象となりますが、授賞作品は対象外です
締 め 切 り
2022年11月7日(月) 15:00迄
審査 / 結果発表
WEBサイトにて受賞作品を発表
※返答期間内にお返事が頂けない場合は審査棄権とさせていただきます
表 彰 式
表彰式
日時:11月27日(日) 14:00-16:00
形式:オンライン
配布予定の新素材 ※生分解性樹脂 / ホームコンポストでの分解可能素材
参考Webサイト
https://www.m-chemical.co.jp/products/departments/mcc/sustainable/product/1209172_7166.html
素材提供:三菱ケミカル株式会社